こんにちは。橋本です。
映画賞レースで席巻中、アカデミー賞受賞最有力の
「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」
観てきました!
一言で言うと、中国系アメリカ人のおばさんが
メタバースを行き来して、世界滅亡の危機を防ぐべく
宇宙で強大な力をもってしまった娘と戦う
SFコメディー+家族ドラマです。
それにしても、タイトル長いですね(笑)
原題 ”Everything Everywhere All At Once”
をそのまま作品名としています。
日本の宣伝では「エブエブ」と短縮しています。
米国では、インスタやツイッター等のソーシャルメディアで
頭文字をとってEEAAOを使っていますね。
英語の世界では、複数の言葉からなる名称を
このように頭文字をつなげて言うことが
多くあります。
日本の宣伝の方は、本作のタイトルについて
かなり悩まれたのではないかと推測します。
直訳すれば「全て、どこでも、いっぺんに」で
マルチバースとこのストーリを包括して表していますので、
別のキャッチーな作品名にするのは困難だったのでしょう。
映画は3つのパートから構成されていて、
各パートのタイトルも、Everything Everywhere All At Once
から成っています。
Part 1 Everything (全て)
Part 2 Everywhere (どこでも)
Part 3 All At Once (いっぺんに)
Part 1については、タイトルが表示される前には、
ウェイモンドが中国語で 、エブリンに
「何を考えているの?」と言うと同時に
“What are you thinking ?”の字幕が流れ、
”ジャーン”という大きなジングルの音に合わせて
”Everything” とPart 1 の文字が表示されます。
これが第1部のタイトルであると同時に、
夫のウェイモンドの「何を考えているの?」の問いに対して
エヴリンの「全部よ!」という心の声を示しています。
エヴリンの頭の中は、税金申告のための領収書整理、
新年パーティー、娘とのこと、父親のご飯、
家業のコインランドリーのことなどなど、
エブリンは「全て」を考えていて、心の余裕がなくなっています。
Part 2 のEverywhereでは、
エブリンはありとあらゆる世界線に行って、
娘ジョブ・トゥパーキと戦い、
虚無のベーグルに向かって世界滅亡させるのを
阻止しようとします。
Part 3 のAll At Onceは、ネタバレになるので
詳しく書けませんが、この物語のエピローグになります。
また、作品中でEverything という言葉がよくでてきます。
特にことの表現がポイントです。
“Everything matters.”
「全てが重要」
その逆が
“Nothing matters.”
「重要なものはない」
娘ジョブ・トゥパーキが
“I got bored one day and put everything on a bagel.”
「ある日つまらなくなったので、全てをベーグルに乗っけてみた」
というのですが、
実際にeverything bagel というベーグルがあって、
たくさんの種類のトッピングをまぶしたベーグルが
そう呼ばれています。
荒唐無稽、はちゃめちゃ、下ネタ満載のおバカ映画なのですが、
実は哲学的な意味もあり、家族愛の物語であり、泣かせます。
おすすめですよ!